タイトルに掲げたほど大げさなことではありません。ただのコラムだと思って気軽に読み流してください。

吟行は一期一会の宝探し

幼いころ宝探しをして遊んだのを思い出して下さい。先入観で(ここには句材がないと…)決めつけて探るべきところをパスしてはいけません。何度も見た場所であってもその日でなければ出会えない表情を見せてくれるかもしれないので必ずチェックしましょう。

吟行にはいろんなスタイルがある

みのるが師事した青畝師と紫峡師とはそれぞれ吟行スタイルが違っていたように思います。青畝先生はおしゃべりしながらでも句が詠めるタイプ。紫峡先生は独りで集中しながら句を詠まれるタイプでした。前者は、おしゃべりの中からヒントを得たり教えられたりして一句が授かるという利点があります。反面集中力が欠けやすいので油断しているとせっかくの一会の出会いを見落すリスクを伴います。

正しい吟行スタイルは?

結論からいうとどちらでもよく自分が楽しいと思うスタイルを選べばいいのです。大切なのはどちらを選んだとしても常に五感のアンテナを張っておくことを忘れないことです。おしゃべりに没頭してアンテナを張ることを忘れていたら句は授からないし、いくら熱心に歩きまわってもアンテナの張り方が曖昧だとなにも引っかかってきません。

上手なアンテナの張り方

吟行地に降り立ったときに最初にふと感じる感興を大切にします。今日は雨で詠んでみよう、風で詠んでみよう、人の賑わいで、川の流れで、等々なんでも良いのです。季語を一つ二つ決めてそれでアンテナを張るのも悪くはないです。具体的なアンテナを張らないで漫然と眺めながら吟行するのは、底抜けの網を引いて漁しているのと同じなのでしっかりとテーマを絞ってアンテナを張る事が大事です。

今日の場合(実例)

今日の中山寺吟行はメインは梅林が目当てでしたが、ちょうど雨降りだったので、雨の句材に重点を置いてアンテナを張ることにしました。

鎖樋ドレミドレミと春奏づ みのる

花屑をとれば機嫌や鎖樋  みのる

ほとばしる春の息吹や鎖樋 みのる

鎖樋落つる水音も早春賦  みのる

春雨の唄ふがごとし鎖樋  みのる

スプリング・ハズ・カムと告ぐ鎖樋 みのる

あなたは、対象物と対話して一句ものにできたらもうそれでよしとすぐに移動していませんか?

それはとてもったいないです。引き続いて心を通わせていたら次々と語りかけて来るはずです。ここと決めた場所で30分、一時間頑張るというのはこのようなことを意味するのです。

焼藷の壺ににぴつたり蓋合はず 小路紫峡

みなさんはこの作品を見てどう思われますか?

ぼくはこの句と出会った時、絶句して言葉が出ませんでした。以前にも日記で紹介しましたが、この作品が生まれた背景について淡路島の作家大星たかしさんが書かれた文章をぜひお読み下さい。

http://gospel-haiku.com/dia/201606.htm#i20160618070838